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【大治郎】畑酒造



創業は大正3年、湖岸平野の田園地域を流れる、愛知川の伏流水で仕込まれています。
【大治郎】の原材料は、地元の農家で契約栽培した山田錦・吟吹雪を小仕込みで仕込まれています。
息子さんが家業を継ぐことになり、これを機に平成11年から、全て滋賀県産米を使った「大治郎」を販売。
冬場は杜氏と共に息子さん自ら酒造りを行い今年で11年目。
昨年から息子(畑さん)が杜氏になり、酒造りをおこなっています。
最小規模蔵の手造りの特徴をしっかりと理解し改良を加え、年々酒質も向上、滋賀県で目の離せない蔵元に
なりました。


2009年 1月から3月上旬まで
【一博】の蔵元中澤さんからの紹介で、入蔵することになりました。
酒屋仕事もあるのでほぼ午前中のみでしたが、人生最大の大変有意義な日々を過ごせました。

朝一番、
だいたい最初は【水麹(みずこうじ)】といって外にさらしておいた麹をタンクに入れます。



その後【室】作業です。
室で一汗かくと【かい入れ=タンクの醪(もろみ)をかい棒でかき混ぜます】のち【検温と検査】
のち蒸米の用意で【こしき=セイロの様なもの】に蒸気ホースの管をつないで終了。
朝御飯になります(蔵で出してもらっています。皆で食べます)

朝食が終わる頃に、米が蒸しあがり蒸米を冷やしながら室やタンクの運びます。
これが毎日忙(せわ)しなくて、ハードです。
どこにどれだけ運ぶのか、きちんと理解するのに結構時間がかかりました。

【室】に運んだ蒸米で【麹づくり】
室では、皆さん上半身裸になります。
私はタイツとTシャツになります(家族以外に私の禁断の姿を見られています)
太りぐあいが『レスラーみたいですね』と言われます。
皆さん私にたいへん気を使っていただくので、そのツッコミがいっぱい々だと思います。



室仕事が終わると蒸米工程で使用した用品を洗います。
洗い物は大変多いです。その後タンク洗いもするときがあります。

それが終わると【洗米】です。
米が水分を吸いすぎないように分秒単位で、少量づつ袋に入れて丁寧に洗います。
私はこの機械に小分けした米を入れる役をしました。
洗い終わった米は、午後から【こしき】に入れます。
洗米フル=洗米する米が比較的多いことを表します。
洗米で仕様した用品を全部洗います。
ここいらへんでだいたい10時過ぎになり、朝のいっぷくをします。

いっぷくのち、明日使う米を小分けする作業をします。
あとは日によって変わりますが、【出麹】はおもしろいです。
麹を室で少し温度を下げます。二回ひろげます。
米がかすかに甘いので、利くふりをして少し食べます。美味しいです。
外に出し、広げてまた明日早朝、タンクに入れます=【水麹】
室の掃除もします。

いろんな工程を行うごとに、すぐ掃除・洗い作業をします。
これがいつ蔵に行っても、蔵がきちんと綺麗な理由です。
あれは後でやろう!なんてのはないです。




私はほとんど昼までで本職(酒屋)にもどりますが、蔵仕事が忙しい日は五時までいたこともあります。

昼食と午後3時のいっぷくがあります。

室は温度管理していますが、切り替えしなどの作業もあるので、晩も二時間おきに行くみたいです。
中澤さんが泊まる日がありました。

【搾り】がある日や【袋吊り】も絡めて、スケジュールを杜氏さん=畑さんが決めます。
その間に、蔵見学に来る人などがあり、11月〜翌年3月位までは過密スケジュールになっています。

仕込みに関しては丁寧に教えていただきました。
【洗米と浸漬】【蒸し】【麹造り】【速醸の?立て】【醪造り】【搾り】すべてを経験しました。
合間にある瓶洗い・検瓶・瓶詰・レッテル貼りなど地道な作業も楽しかったです。
あっという間に過ぎた2ヶ月半でした。

『仕込みを経験してどうでした?』
とよく他で聞かれますが、すぐに明確で適切な結論がでません。
経験した事があまりにも大きく、まだまだ謎の部分、
例えば【もろみ】と搾った酒【あらばしり・中・留】では何故味わいが違うのか?
など分かり得ない事が山ほどあります。
しかし経験して仕事上プラスになった事はたしかです。

俗社会を離れ、世間のニュースも知らず、ひたすら酒造りをする。
尊い経験でした。
機会があれば、またやってみたいです。



深田 孝文